私が不動産賃貸業を始めたのは2007年です。
当時はフルローンの融資が出ていた上に、物件の利回りは築15年で15%以上はあったと思います。
新築は2011〜2013年に4棟購入していますが、利回り10%以上でした。
サラリーマンをリタイアしたのは2012年で、125戸所有していました。
運よく時代の波に乗り、規模を拡大できました。
現在は168戸所有していて、返済比率は満室時家賃の4割くらいです。
私の周りには脱サラして専業大家になっている方が数名いますが、
皆さん2007年前後、もしくはそれ以前から不動産賃貸業を営んでいる方ばかりです。
リタイアを目指して、ここ2〜3年で不動産賃貸業を始めた方も多いと思いますが、
不動産価格が高騰している今の市場では、
我々と同じ投資法でリタイアすることは出来ないかもしれません。
そもそも、何の資産も持たないサラリーマンが借入に頼って不動産を購入し、
専業大家になれるというのは異常なことなのだと思います。
私は運よく、一瞬だけ開いた専業大家への扉を通れただけ。
なので、これから不動産賃貸業を始め、サラリーマンのリタイアを目指している方は
我々よりも緻密な戦略、それなりの軍資金、諦めないで行動し続ける精神力が必要だと思います。
利回り8%台の新築をフルローンで購入したり、
築25年の物件を利回り11%程度で購入していては、
リタイアするのは難しいと思います。
但し、属性が良く金融資産が豊富にある人は、
購入する物件の規模をプレイヤーが少ない3億以上にすることで優良物件を掴むチャンスを増やしたり、
都銀で低金利で資金調達することで道が開けてくるかもしれません。
融資に頼って不動産を購入すると年々収支が悪くなっていきます。
返済額に占める金利の割合が減り、経費が少なくなっていくこと、
減価償却期間が融資期間より短い場合は、減価償却がなくなること、
物件が古くなることにより修繕費がかかることが原因です。
リタイア前には、全物件の融資完済までのキャッシュフローをシミュレーションし、
空室率や金利、修繕費等のストレスをかけても生活できることを確認しましょう。
ある程度のお金がある人にとっては、不動産を購入するのは難しいことではありません。
なので、最近は軽い気持ちで、あまり深く考えずに不動産を購入している人も見かけます。
不動産賃貸業は大きな借金を伴う事業です。
家族の人生を全て背負っているという自覚をもって事業に取り組んでほしいと思います。